代表紹介

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大学4年生の秋の日のことだったと思います。卒業設計の課題に悩んでいました。同じ研究室の人達の作品は、建築雑誌から飛び出してきたかのような、流行りの「かっこいい造形の建築」。それに比べて私の作品は「平凡を絵に描いたような」作品。「人が振り向くような、かっこいい作品」を作りたい。建築雑誌を見続け、びっくりするようなモノを試行錯誤していました。
そんな私を見兼ねて、恩師が掛けてくれた言葉は「君は普通でいいよ」。
結果的に賞を頂きましたが「普通なのに申し訳ない」みたいな気分でした。
それ以来、設計・施工、両分野の仕事に関わってきましたが、「平凡なモノ」を作り続けていました。そんな私の転機になったのは建築家「吉村順三」の軽井沢のカニングハムハーモニーハウスとの出会い。「平凡な建築」と「普通の建築」は、まったく違うのだと知りました。
今は、個性と自分時間を大切にする時代。人は自由な表現を楽しみ、自由に発信し、さらに自分を磨くことで自分を高めています。そして、人を包み込む箱も、それに見合った空間に変化を求められています。
日々の愛や豊かさが循環するのが建築空間。空間が豊かであることで、人と空間はよい関係を築くことが出来ます。それは「かっこいい、びっくり」する空間である必要はなく「普通」の空間でいいのです。そんな空間をご提案することが、私たちの仕事であると思います。